代表的なばんこ焼 :きゅうす
森ゆうせつの考えた「型ばんこ」のきゅうすは、せん茶をのむ文化といっしょに日本全国にひろまりました。
また「型ばんこ」は四日市ばんこ焼がたんじょうするきっかけにもなりました。それいらい、きゅうすはばんこ焼とともにはってんしてきた代表的なせい品です。
現在、ばんこ焼のきゅうすといえば、むらさきがかった茶色の「紫泥急須」が有名ですが、そのほかにもいろいろなきゅうすがつくられてきました。
きゅうすができるまで
ばんこ焼のきゅうすはおもに、ろくろ、てびねり、かたばんこ(木型)、いこみ(せっこうの型をつかう方法)の成型方法でつくられています。
下の動画では、ろくろできゅうすを作っているようすがみられるよ。
しゅつえん: 伝統工芸士 舘 正規 さん
いこみでつくるきゅうす
石こう型をつかった「いこみ」。
「いこみ」でつくる方法には、「がばいこみ」と「圧力いこみ」があるよ。
「がばいこみ」は、ドロ状にした粘土をせっこう型に流しいれて、時間をおいて、あるていど型に水分をすわせてから、あまった粘土を流し出すんだよ。のこったぶぶんを型からはずしてやくよ。せっこうがどろの水分をどんどんすって厚くなるから、時間との勝負なんだ。
上下が密閉されるようになっている型(ここではフタ用だね)は圧力いこみ用。型を何組もかさねて、圧力をかけて、いきおいよく型のすみずみまでドロ状の粘土を いきわたらせて、そのまま全体の水分をすわせてつくるよ。
<がばいこみのイメージ図>
<圧力いこみのイメージ図>
どうたい、とって、くちのぶぶんは「がばいこみ」、ふたとふたのつまみは「圧力いこみ」でつくられているよ。パーツごとにかたちをつくって、あとから職人さんがせっちゃくさせて1つのきゅうすができるんだよ。
クイズ6
四日市は、ばんこやきのきゅうすと、おいしいかぶせ茶のりょうほうを作っているめずらしい地いきだよ。
そんな四日市のある三重県のあら茶(かこうするまえのお茶)の生産量は全国で何位でしょうか?
① 1位
② 3位
③ 7位
代表的なばんこ焼:土なべ
ばんこ焼の土なべは、日本の国内生産第1位!
日本で作られている土なべのなんと、やく80パーセントがばんこ焼といわれています。
昭和の時代、薪や炭にかわって、おおくの家庭の台所でガスがつかわれるようになりました。それまでの土なべではガスのつよい火力でひびわれてしまうことが多くありました。
そんな中、ばんこ焼のメーカーがガスのつよい火力でも、われない土なべをつくろうと研究をかさねて、1959年にペタライトという鉱物をつかった、より熱につよい粘土を開発しました。(※ ポッター調査隊のページに開発までのお話をけいさいしているよ。)
「ペタライト入り土なべ」と「なし土なべ」の加熱実験
ペタライト入り土なべとくらべて、ペタライトなしのほうは、温度があがるにつれて、土が膨張をつづけるよ。
陶器は金属とちがって、伸びて変形することができないから、ある段階までくると圧力にたえきれずにわれてしまうそうだよ。
ペタライトは熱をくわえてもふくらみにくい性質をもっているから、ペタライトを土なべの土にある一定の量をくわえるとわれをふせぐことができるんだって!
クイズ7
ばんこ焼の土なべやたいねつ陶器につかわれるペタライトの多くは、ジンバブエという国から輸入されているよ。
さて、ジンバブエはどこにあるでしょう?
① アジア大陸
② アメリカ大陸
③ アフリカ大陸
土なべができるまで
ばんこ焼の土なべはおもに、動力ろくろ、ローラーマシン、ろくろの方法でかたちを作ります。
たくさん作作っているメーカーでは成形がおわってゆうやくをかけた土なべを「さやばち」といういれ物にいれて、車りんのついた台の上にいくつもつみかさねて、「トンネルがま」で焼いています。ながさ数十メートルのトンネルがまの中を約1日かけてゆっくり進みながら焼きます。
下の動画では、土なべができるまでのようすがみられるよ。ローラーマシンやトンネルがまもでてくるよ。
しゅつえん: 銀峯陶器 熊本 誠太さん
<動力ろくろ成形のイメージ図>
動力ろくろをつかった成形方法は土なべだけではなく、食器などにも用いられています。
土なべでおりょうりをするとなぜおいしいの?
土なべは「熱をゆっくりつたえる」というとくちょうがあります。そのため、そざいのもつ甘みやうまみをじっくり引きだすことができます。
中でも、ごはんは土なべでたくととってもおいしくたけるよ。
下の動画では、おいしいの土なべごはんのたき方がみられるよ。
しゅつえん:ばんこの里会館 和食藍川 シェフ 塚本 正樹 さん
やけどしないように気をつけながら、おうちの人といっしょに土なべでごはんをたいてみてね!
すいはん用の土なべがないときは、ふつうのどなべでもたけるよ!